『しあわせ力』って???
こんな人を見たことがあるかな?
- 何事も楽しそうにする人
- 大袈裟に嬉しそうにする人
- 悩みがなさそうで、いつもポジティブな人
- 笑っていることが多い人
なんであんなに楽しそうなのか不思議に思ったり、私もああなりたいと思ったことは、一度くらいあると思う。
彼ら彼女らの正体は、「しあわせ力」が高い人なんだ。
もちろん、SNSの上だけの虚飾なんかじゃなくて、日々出会う出来事すべて、それこそおはようからお休みまで、楽しいことも普通のことも大変なことでも、笑って出迎えられるような。世界は素晴らしいものだと信じているような。そんな人のこと。
私には絶対にそうなれない、なりたくもない。そんなことを考える必要はなくて、この記事を最後まで読めば、「しあわせ力」が誰でも手に入るものだってわかってもらえるし、なにより1年後にはあなたもそう慣れるかもしれないんだ。
しあわせ力に才能はあるの?
最近では、生まれや環境によってすべてが決まってしまう。そこからあぶれたら何もできない。そんな考えが広まっているね。しあわせを感じる力にも、もしかしたら才能が関わっているんじゃないか? そういう考えもできるよね。
だから最初に、「しあわせ力」が才能に関わるものなのかどうかだけ話しておくね。
回答としては、残酷だけど「しあわせ力」にも才能はある。いつも楽しそうにしている人の大半は、たぶん才能あふれる人だ。ほかのいろいろなことと同じように、遺伝子や小さいころの生育環境がすごく影響してくるのは否定できない。
例えば、脳内の幸せホルモンの量が生まれつき少ない人もいる。小さいころに虐待を受けたり、安心感のある環境がなかったから、常に不安を抱えているかもしれない。そういう人たちが、何不自由なく育った人よりも不利な状況にいることはその通りかもしれない。
ただ、ここであきらめる必要は全くないよ。
「しあわせ力」は勉強やスポーツと同じ。つまり練習と反復で鍛えられるんだ。
受験や大会があるわけでもないから、他人と比較したり競う必要もない。あくまで、自分が快適に暮らせる範囲までトレーニングをすればいいんだ
それにしあわせ力を鍛える方法はとても簡単。それは『毎日オーバーに喜ぶ練習をすること!』こと。これがとっても大事なんだ!
そのことについて、解説するために、ここでいう「しあわせ力」の正体についても説明していくね。
あらためて、しあわせ力ってなに?
単に「しあわせ力」といっても、ふわっとしていてわかりにくい。適当なことならいくらでも言えるけど、実はちゃんとした脳科学に基づいた方法なんだ。
「しあわせ力」の正体は「幸せを感じるのに最適化された脳の状態」のこと。大事なのは、あなたの脳回路がどれだけ幸せを感じやすいようにがどれだけ整備されているかだ。いわば『しあわせ回路』だね。
例えば、おいしいものを食べた時に「こんなにおいしいもの食べられるなんて!」とポジティブさや感謝の気持ちを感じられる脳は、「しあわせ力」が高いと言えるね。逆に「安物だし、あれと比べたら微妙だし」とネガティブさや比較の気持ちを感じてしまう脳は、「しあわせ力」が低いかもしれない。
じゃあ明日からそう考えれば解決かと言うと、そんな簡単な話でもない。脳回路はハードウェア。1日だけ考え方を変えたってほとんど変わらないんだ。しあわせ力を高めるには脳回路を書き換えるしかないけれど、それにはトラウマ級の出来事が起きるか、毎日の積み重ねていくしかないんだ。
ただ、少しずつ変化することも科学的にわかっている。未開の森は歩きにくいけれど、毎日歩いているとだんだんと草木が減って歩きやすくなるよね。それと同じように、毎日考えたり行動することで、だんだんと思考パターンが自動化されていく。そして完全に整備されて、ちょっとやそっとじゃ元に戻らなくなった状態を「しあわせ力が高まった状態」であり、人間であればだれでも到達できるんだ。
しあわせ力の公式
ここまで話していたしあわせ力は、スポーツにおける才能や実力や勉強のける地頭っていう概念と似ているね。
スポーツの実力って何で決まるだろう?
実力=(才能)×(練習の質)×(練習の量)
これはなんとなく納得できると思う。
これを「しあわせ力」バージョンに置き換えると
- 才能 ⇒ 脳内物質の出やすさ(変えられない)
- 努力の質 ⇒ 幸せの噛み締め力(考え方の質、変えられる)
- 努力の量 ⇒ 幸せを噛み締めた回数(考えた回数、変えられる)
って感じかな。式にして書き直すと、
しあわせ力 = (脳内物質の出やすさ)×(しあわせの噛み締め力)×(噛み締めた回数)
って言えそうだね。
★しあわせの噛みしめ力について
しあわせの噛みしめ力とは何か。スポーツで言うと「練習の質」のことなんだけど、これもふわっとしているから具体的な例で説明するね。
例えばコンビニスイーツを食べる時に噛み締め力の低い時の感情は、
- 「甘いなー」と思いながらスマホを見て味を忘れちゃう
- コンビニスイーツの値段と高級スイーツを比べてしまい、普通だなと思っちゃう
こんな感じで、幸せなはずなのにその感情をうっすらとしか感じられない状態のことを、「嚙みしめ力が低い」と言うよ。
逆に噛みしめ力が高い考え方時の考え方は、
- 「なんて美味しいんだ!」と、生地の香り、舌触り、甘さを舌で転がす快感に集中する
- 1000年前の偉い人に食べさせたら、全財産使ってでも食べたいっていうだろうなぁって思う
- この時代に生まれてよかった、と心から喜ぶ
そんな、大げさなくらいに喜べる状態が、「噛みしめ力が高い」状態なんだ。
喜びすぎだって? その通り! 当たり前に思うことでも自分から全力で幸せを感じにいける力のことを、「しあわせせの噛み締め力」って言うんだ。
しあわせの噛みしめ力が高い状態を繰り返すことで、しあわせ力は上がる
話を戻して、まとめよう。
さっきの式ではこうなっていたね。
しあわせ力 = (脳内物質の出やすさ)×(しあわせの噛み締め力)×(噛み締めた回数)
この式が表すのは、ちょっとの幸せでもその出会いに心から全力で幸せを感じることが大事ってこと。最初は口だけでもそれを繰り返せばだんだんと脳回路に刻まれて、いつか本当になる。
僕は実際に、
- 息を据えることに感謝
- 太陽があったかくて気持ちよさ過ぎる!
- 宇宙の歴史に乾杯
- そんな風に考えられることって最高!
って、心の中で(実際に声に出すこともあるけれど)叫んでいたよ。そうしていたらいつの間にか、本当にすべてのことに感謝できるようになったんだ。
馬鹿らしいって思う人もいるかもしれない。「そんな小さなことで幸せを感じられるなんて貧乏性だ」とか。そうかもしれない。
けれど、考えの積み重ねは必ず脳回路に道を作ってくれる。しあわせ力は特殊な手法なんかじゃなくて、当たり前の仕組みでしかない。
勉強したことを覚えていくように、
練習した動きが馴染んでいくように、
仕事を繰り返すと慣れていくように。
幸せを強い力で噛み締め続ければ、やがて無意識に幸せを感じやすい人になれるんだ。
最初に言っていたいつも楽しそうなひと。彼ら彼女らの正体は、子供のころからずっと幸せを噛みしめてきた人達のことかもしれないね。
そしてなにより大事なのは、勉強やスポーツと違って、誰かに勝つ必要なんてないんだ。あなたのペースで、あなた自身が変われば、それで人生が変わっていくはずだよ!